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『新たなるグローバル人材:外国人留学生の雇用と課題』の一般公開について

グローバル人材育成研究プロジェクト報告書『新たなるグローバル人材:外国人留学生の雇用と課題』(2022年8月)を一般公開いたします。   【PDF形式の報告書はこちらから】

外国人留学生による日本での就業は、昨今では、珍しいことではなくなりました。しかし、日本で学業を終え、そのまま日本に残り就労という新しいステージに入ろうとする外国籍の方すべてがスムーズに移動できているかといえば、そうではありません。むしろ、半数近くの留学生が、さまざまな理由から、この移動のプロセスに困難を覚えています。事実、この困難が乗り越えるにはあまりにも「高い壁」と感じて、日本での就労を諦めるというケースも多く見られます。

日本社会では、現在少子化と高齢化が同時に進行しています。このいずれの傾向からしても、就労人口の増加が強く望まれます。このコンテキストのもとでは、外国人留学生の学問から仕事への移動、そしてその移動にまつわる課題が検討されなければなりません。

プロジェクトは、このような問題意識のもと、2019年、21名の学会員が参加する学会主体のプロジェクトとして開始されました。本報告書は、その研究成果である報告論文14本と参考資料2本を収めたものになります。

プロジェクトは2022年に終了しましたが、それ以降も外国人留学生の就業とそれにまつわるさまざまな問題は、日本社会が対処すべき大きな課題として存続しているように思えます。今日多く出版される書籍や論文を見ても、留学生と関連して「高度外国人材」「地域支援」「就業支援」「適応」などの言葉が並びます。新聞紙面でも、外国人の就労は依然として大きな話題として取り上げられています。

公開する報告書が、今日の日本社会が抱える課題や外国人留学生が抱える困難に対して学問的な立場から光を当てるものとして、読者の皆様のさらなる検討に役立つものであることを切に願っております。

2024年5月

人材育成学会会長 野宮大志郎